別居をして生活費をもらいながら生活するのと、離婚して母子手当をもらいながら生活するのとでは、どちらが経済的に得なのかを弁護士相談で聞いてきました。
- 経済的には別居の方が得
- 離婚する時のタイミングによっては別居が長引くと損することもある
- 経済的メリットを理由に別居関係を続けることは難しい
- それでも経済的メリットを手放さないで別居を続けたいならどうするか
経済的には別居の方が得
子供1人、ローンを含む借金がなく、専業主婦の場合で聞きました。
結論、別居中は生活費を支払う義務があるので、別居の方が得なようです。
養育費の算定票はあくまでも子供を養育するための額なので、基本、別居の方が多く額はもらえると考えて良いとのことでした。
知り合いの経営者の方で、妻が出て行って生活費を払っていた人で、なんと月60万円(妻、子2人)に生活費を支払っていた人がいました。こうなると、別居の方が得というのもうなずけます。
離婚する時のタイミングによっては別居が長引くと損することもある
子供が小さい内は妻側が働けないという理由も考慮され、養育費算定票の権利者の年収の部分が0円で計算されますが、ある程度大きくなり、小学生くらいになると、どんなに育児が忙しくても年収100万くらいは稼げる状況にあるでしょうと考えられ、例え収入が0円の専業主婦であっても100万稼げるものとして計算され結果的に養育費の額が減少してしまうこともあるそうです。
知り合いの経営者の方は、離婚時に調停となり、養育費算定票の額の中に収まり、当時専業主婦であった元妻の生活は一気にグレードダウンしたということを言っていました。元奥さんの生活費まで払う必要はないので当然っちゃ当然ですね。元奥さんにお会いしたことがないので、実際にどう思っているかは分かりませんが、元々の生活水準が高いほど、養育費算定票内で決まった額は少ないと感じるかもしれません。
経済的メリットを理由に別居関係を続けることは難しい
経済的メリットを得たくて別居のまま離婚をしないというのは、かなり難しいと言えるでしょう。
基本的に別居は同居義務違反(民法752条)に該当しますから、まして生活費をもらいながらの関係を続けるとなると、双方にメリットが必要なわけです。生活費を受け取る側に経済的メリットがあったとして、支払う側にはメリットがない場合が多いですから、支払う側がよっぽど離婚したくない!離婚じゃなければ別居を続けたい!というような意志がなければ、当該別居生活は早々に終了すると思って間違いないと考えられます。
それでも経済的メリットを手放さないで別居を続けたいならどうするか
最初は離婚しようと思って別居に居たり、経済的メリットを受けながら、相手の面倒は見なくて良いので、案外この生活も悪くないので別居を続けたいと思う人も一定数いるでしょう。
その場合は相手に現在の生活にメリットを感じてもらうしかありません。例えば別居になってから相手の体調を気遣うなど。無茶苦茶素直な相手方だったら何とかなるかもしれません。
私の知り合いで別居生活を20年近く送っているという人がいます。その人の場合、会社経営をする夫が出て行き、その夫は月に一度持ち物を取りに家に帰ってくるようです。20年にも及ぶ別居生活を送り、何度か話し合いをした所、出て行った夫は自由に生活がしたい、子供の世話もしたくないが、離婚もしたくない。でも家も生活費も一切保証する。妻側は、生活が保証されていれば何でもいいということで双方利害が一致し、別居婚を続けています。お子さんもいますが、病気等になっても協力は一切せず、お子さんは完全に父親を嫌っています。お子さん自身が母親を守ってあげなきゃ!という気持ちが強いようで、非行に走らなかったところが救いのようでした。
しかし、一緒に居られないと思って別居した相手です。気が変わって生活費を支払わなくなったり、病気になったり、働けなくなったり、リスクは付き纏います。相手主導で生活の基盤を築くよりも、シングルマザーになったつもりでいつでも自立できるように環境を整えておく方が、長い目で見た時にリスクヘッジできて良いでしょう。