配偶者に発達障害の検査を受けて欲しいと思っているけれど、どうやって切り出せばいいか悩んでいる人に向けて書きます。
長くなるので先に結論を書きますが、どう打診しても機嫌は悪くなるし、診断に行くかどうかは本人次第です。
この度夫が診断を受けるという流れになったので、どういった流れでそうなったのか、その時の苦労話と、コツなどについて書きます。
現在は別居中です。配偶者(夫)に発達障害の疑惑がありました。常々診断を受けて欲しいと思っていました。
同居中から、あれ?と思う違和感から、何でこんなこともできないのよ!というような出来事を経て、周囲の人に相談をし、『夫は発達障害なんじゃないの?』と言われることがありました。
発達障害の診断がついたのであれば何とか特性を理解することが出来るのではないか、夫を理解してくれる信頼のできる専門家にアドバイスやサポートを受けることが出来るのではないか、単純に発達障害なのかどうかを知りたいという気持ちなど、色々入り交じり、診断を受けて欲しいと一緒に住んでいる時から思っていました。
発達障害かどうかの診察を受けるに至った流れ
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普通が分からなかった夫
夫と一緒に住んでいる時に、
夫『普通がわからないんだ!そっちの普通なんじゃないの?』
私『皿を舐めないでとか、トイレにおしっこ飛ばさないでなんて、普通出来るでしょとしか言いようがないよ!それが出来ないって発達障害かなんかなんじゃないの?一回病院行ってみたら?』
みたいな、小さいことから大きなことまで、なんでこんなミスが起こるのか謎!ということが多々あり、病院へ行くとこを打診しました。
しかしそう言ったところで診察なんか当然行きません。
その他色々ありましたが、夫に対して話が通じないことや、その度何かを言えばキレられてしまうこと、それに伴って自分の性格もキツくなっていることも嫌でしたし、普通を強要している自分が悪いんじゃないかなど、さまざま消化しきれないモヤモヤ感が募り、ついには私は体調を崩し、夫に『出て行けー!』と言われた流れで別居になりました。
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別居中に突然『自分は発達障害かもしれない』という内容で連絡がきた
突然、なんの脈略もなく、
夫『俺は発達障害かもしれない』
私『言いずらかっただろうけど、話してくれてありがとう。そうだと思ったのであれば、診断を受けてみたらどう?』
夫『何だ上から目線で!あなたこそ発達障害じゃないのか!離婚だ!』
要約するとこんな感じでした。
げんなりしました。そんなことないよー、あなたはよくやってくれてるし、私が悪かったのよーと言って欲しかったんでしょうか。別居前はこんな会話ばかりで、どう言えば夫の機嫌を損ねずに話し合えるのか、言葉やタイミングを選びすぎて、最終的に自分がどうしたいのかが分からなくなっていました。
でも別居中なんで、全部受け止める必要はないので、あーそうですかと一旦返答を差し控えることにしました。
←これを夫は無視するな!と言いますが、このタイプの人と真正面からやり取りしていたら気が滅入ります。リアルタイムでやり取りするとどんどん嫌いになってしまうということは一緒に住んでいて経験済みなので、強く出られたら引く、これが自分のメンタルのためにはよかったです。夫にとってはキツそうだけど。
私『(前にも言ったけど)私は発達障害ではないとの診断済みだし、人間関係やその他で困ったことはないよ。何か思うところがあるなら診断受けたらいいんじゃない?違ったら違ったで良いじゃない。』
と言ったところ、実際に診察に行くと言っていました。
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診察結果は発達障害ではなかったらしい
夫は発達障害ではなかったと診断されたと言っていました。
夫『俺だって診断受けたら発達障害じゃなかった!そっちが妄想で障害者扱いしている!』
私『違ったんだね。(じゃあ問題は性格なんだね)』
夫『妄想の中で俺を悪者にしている!そっちで(実家で)洗脳を受けてるんだろ!』
私『急に飛躍しすぎだよ。』
キレていた。私が勝手に妄想で自分を発達障害に仕立て上げたというように言っていました。
私が通っている心療内科では、『恐らく夫さんは典型的な発達障害だけど、初心で治療の意志がない患者さんに発達障害だと伝えることはほとんどないからね。』
とのことで、グレーなのかな、とその時は思いました。
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しかし発達障害だと思いながら生活しているらしい夫
数日後何故かADHDに良いとされるサプリを飲み始めたらしい夫。
夫『今発達障害に良いっていうサプリを飲んでる。結構調子いい。凄くおすすめ!』
私『え?発達障害じゃなかったんでしょ?』
夫『俺障害っぽいところあるし。』
私『この間発達障害じゃないって言われたて言ってたじゃん。』
夫『生活に支障がないから発達障害じゃないって。でも俺落ち着きないし、みんなが簡単に出来ることが出来ないって結構あるから。でもこの薬凄い効いてる感じがして、本当オススメ!』
ガッツリ別居に至っているけど、生活に支障がないとはこれいかに。仕事をしているから支障なしってことか。(私の父のコネ入社だけど)
そして、夫、めちゃくちゃ元気である。
妻子共に一年全く顔を合わせていませんが、ちょくちょく『死にたい、離婚したい、やりなおしたい』など情緒不安定な連絡をしてくる割に、ジムに行った報告、ペットを飼った報告、YOUTUBERになった報告など、物凄く謳歌していると思うのだけど、定期的に自分は不幸だーと言っています。私はへぇーと思ってそっとLINEを閉じます。
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本当は診断に行っていなかったと言い出した夫
上記のやり取りをしまして、記事にしようとコツコツ書いていたのですが、先日夫が
『本当は病院行ってない。これから行こうと思う』
と言い出しました。
ここ数ヶ月、夫と離れて動悸も減ってきて、そんなに夫の言動に動揺しなくなってきていたのですが、さすがにぎょっとしました。
嘘だったの?!今までのやり取り何!?こんな時でも嘘をつくって本当この人どうなってるの?!と思いましたが、今までにも些細な嘘から信じられない嘘まで様々な嘘をつかれていたので、またか。という気持ちにすぐになりました。
夫に嘘をついた罪悪感はありません。反省もしないし、日常的に嘘が紛れているので、はっきり言って夫の話を全部鵜呑みにすることは出来ません。追求したところで、『そうやって追求してくると思ったから嘘をつくことになってしまった』と、責任転嫁されるのがヲチです。『嘘をつかれると悲しいから、嘘はつかないでほしい』と伝えても、『分かった』という同意がそもそも嘘なのです。むしろ、嘘をつくなと言われたからそう答えるしかなったんだ、と自分は人柄を否定された被害者だと主張します。そして、仕舞いには嘘をついたことを忘れて、嘘を真実と思い込むというところまでいっちゃいます。嘘をつかれて嫌だという気持ちを夫が理解することは出来ないし、夫の嘘を治すことはできないと思っています。まじで信頼に足りないと思っていますが、別居中の生活費も頂いているので、もう追求するのはやめました。
そんな夫ですが、本当に予約を取って病院に行くという話が出ました。
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ADHDと診断された夫
嘘をつかれた後だったんで、本当に病院に行ったのか信じる気持ちは5割程度ですが、一応、『ADHDと診断されて薬を貰った』と言っていました。
アスペルガーの診断は出なかったのかなー?と思いましたが、聞きませんでした。これまでも嘘が多かったので、聞いても真実を話すかどうかも分からないし、聞いていちいち怒り出す姿を見たくもなかったからです。
でもADHDの特徴もあるし、本人も自分はADHDだとどこかに自覚はあったようです。
夫は現在、俺は病院に行った!ちゃんと薬も飲んで頑張っている!だから戻ってこい。戻ってこないなら離婚。という感じで、病院に通い続けるのかはどうかまでは分かりません。
薬はよく効いていると言っていましたので、一緒に住んでいたのであれば多少、変化を感じることは出来るのかもしれませんが、別居して遠くにいるぶんには、何も変化は感じられません。
ここまでが夫が心療内科へ発達障害の診断に行った流れです。
夫が診断を受けるという話が出るまでにかかった期間は2年以上
夫が心療内科で診断を受けると発言したのは、発達障害疑惑が出てから2年以上、別居後1年近く経過してからです。
はっきり言って、こちらからのアクションで出来ることは、『発達障害の診断を受けて欲しい』と言うこと、キレた相手を本気で相手にしないこと以外できることはありませんでした。夫に、この人の言うことだったら聞こうと思うという、信頼のおける友人なり、知り合いがいれば、もっと話はスムーズだったんじゃないかと思うのですが、残念ながら夫は信頼出来る知り合いが一人もいません。
本人が自分の意思で自分を変えたいと思わない限り、診断には行きません。話せば分かる相手じゃないから発達障害なり、何か原因があると思ったはずです。自分がどうすればとか思わない方がいいです。
発達障害の診断を受けて何が変わるか
一緒に住んでいる間であれば、定型発達の人が『やっぱりね、この人は発達障害の特性があるから仕方がない』と割り切り、特性を理解してうまく受け流す方法を見つけることが出来るかもしれません。
お医者さんを通して二人の問題に立ち向かえたり、身近な人にサポートしてもらうきっかけとなり得るかもしれません。
別居中であれば、その診断を受けて、配偶者は永遠に変わらないと自覚し、その後の生活をどうするかを考えることになるでしょう。
発達障害の診察を受けさせるための注意点
診断の提案をしたら、『発達障害扱いしやがって!』とキレる可能性もあるので、逃げ場を確保してから提案した方がいいと思います。
発達障害かどうかの診断を受けさせる労力
本気でやり合ったらしんどいです。本来良い関係を築きたくて診断を受けて欲しかった場合でも、自分を障害者扱いしたとキレることもあるし、本や直接心療内科などで医師と相談をしながら特性を学び、『障害じゃなくて個性』と言っても、やっぱりキレられることもある。どこかで本人に自覚があったとしても、指摘されたことに腹を立てられ、自分を障害者扱いした!人格を否定された!と責め立てられるのは、結構しんどいです。
相手が腹を立てても自分はブレない、いちいち傷つかない、そういった信念が要求されます。
結局は相性。
私の知り合いの典型的な発達障害の夫を持つ妻で、夫婦円満とはいかなくても、うまくやっているお家は、夫は言っても聞かないので、とりあえず一旦夫のやりたいようにやらせるという方法を取っているようです。幼少期に発達障害の診断を受けている夫なので、自分の得意なこと、苦手なことがはっきりしているので、任せて大丈夫な線引きがしっかり出来て、それを伝える能力があるので成り立つ共存方法かなとも思います。側から見て奥さんこんなに夫に合わせていて大変そう。。。と思いますが、幼少期から診断済みなので、お互いの家族からのサポートもあり、そして何よりお互いが好きなので問題ないのです。
結局は全部ひっくるめて相手を好きか、好きではないけど利害関係がピッタリ合うかなど、この先やっていけるのかが大事なので、診断を受けたからといって好きになることはないということを忘れてはいけません。
いちいち腹を立てないことがポイント
発達障害の特性を持つ夫の妻にあたる人、3人にお話を聞きましたが、皆さん凄い!と思います。何が凄いって、頭にきても、腹が立っても、相手を褒めて伸ばすしかないと割り切っているところです。離婚話までいっている人もいましたが、それでも、相手に伝える時は短く、優しく、図などを使って、責められた気持ちにならない言葉を選びながら伝える。と言っていました。そして共通しているのは、夫が仕事で忙しくなって帰ってこなかったり、趣味に没頭して帰ってかなったりする方が円満にいく、ということでした。嫌いじゃないけど、ずっと一緒はきついと言うことでした。
なので、相手に診断の打診をする時は、腹は立ってもいちいち反応しないことがポイントだと思います。色んなモラハラ対応策なんかの話で出てくると思いますが、とにかくいちいち腹を立てない。本気で相手にしない。話の通じる相手じゃないんだから。という気持ちを忘れてはいけません。
キレられても『私はあなたの敵ではありませんよー、攻撃する意図はありませんよー私はただただ心配しているだけなんですよー』と言うんです。まじでこれくらいストレートに言わないとただただ機嫌が悪くなります。本来診断に行って貰うことが目的なのに、なぜかバカにしただろ!出て行け!というところで着地しようとします。
とは言え、何で自分がそこまで謙らなければならないんだって腹は立つと思います。ご機嫌伺いをしないと怒られ、自分の意見や感情を抑えなきゃいけないって、亭主関白気取るのも大概にしろよって、理不尽に思うと思います。で、当然無理に婚姻関係を続ける必要はありませんし、経済的な面が解決出来るなら即離婚でいいと思います。
一方で、このご時世ですし、貰えるお金は貰った方が良いです。弁護士さんにリアルに生活のシミュレーションをしてもらったりすると、現実に必要となる環境や資金が見えてきてきます。ムカつく上司だと思って、部下だと思って、犬だと思って、金を運んでくる太客だと思って、時には現実を見ることも必要になるかと思います。
どうしたっていいんです。どうやったところで、自分の人生の主人公である自分が決めたことは全て正解です。自己中になりましょう。
そんな中で別居という選択肢もあります。いちいち腹を立てないって結構難しいですから。達観していたらいいですけど、ストレスは溜まります。別居中だってストレスは溜まりますし、相手から連絡がきてぎょっとすることもあるけれど、目の前で怒鳴られることに比べたら全然マシです。
どんな風であれ、このタイプとやっていくにはいちいち反応せずに受け流す。それしかないです。
そうしているうちに、何か本人の中で思うことがあれば、ある時突然診察に行く、かもしれません。
まとめ
あくまでもこれはうちの一例に過ぎないので、当人同士の性格や相性もあるので、全ての発達障害の人が、嘘をついたりキレたりするわけではありません。とても素直で優しい人だっていると思います。
同じようなタイプの発達障害疑惑を感じる人がいれば、参考にしてみてください。