親から『あなたには出来ない』と言われたことがあります。
私はこれを呪いの言葉だと思っています。
この呪いの言葉から解放された友人から話を聞きました。
もし、親から『あなたには出来ない』と言われて、辛い思いをしている人がいたら、是非参考にしてもらいたいです。
『あなたには出来ない』と言われて育ってきた友人の話。
友人はとても頭が良く、英語もペラペラで、大学院まで出ていて、側から見てもとても優秀でとても自立した人です。しかし、彼女は自分をずっと出来ない人間だと思っていて苦しい生き方をしてきた、という話をしていました。
彼女が大事な仕事や、リーダーを任されたことを彼女のお母さんに報告する時、彼女のお母さんは言うそうです。
『あなたには出来ないよ。』と。
長年『あなたには出来ないよ』と言われてきて、ずっとその通りだと思っていたそうです。けれど、そう言われる度に、何も挑戦できなくなってしまう。と彼女はある時お母さんに反論したそうです。
『私自分の努力でこうしてこの仕事を任されたの。どうして出来ないって言うの?それを聞くたびにどんどん自信がなくなるからやめてほしい。』と。
するとお母さんは、
『そんなつもりじゃないのよ、あなたが失敗して傷つくのが嫌だったの。』
と言ったそうで、彼女はお母さんと仲直りしたようです。『あなたには出来ない』と言われなくなったら、全て解決すると思っていたそうです。
しかし、長年飲んできた毒は、自分の体のなかで、『出来るとは、一番を取ること。』に変化していたんだそうです。
それからもがむしゃらに頑張り、勉強も仕事も死ぬほど頑張って生きてきたけど、決して一番にはなれなかった。その度に自分はダメなんだと思ったと。
ある時、自分のしたいことをしよう!と思って、一流企業を辞め、自分の興味のある仕事を始めたところ、お母さんから、
『どうして辞めるの!裏切りよ!』
と言われたそうです。何でそんなに酷いことを言うんだ、と思ったけれど、その時、ふと思ったらしいです。
どうして私の人生なのに、裏切ったなんて思うんだろう。お母さんと私は別人で、これは私の人生なのに。私は私の人生を裏切っていない。
ああ、私は今まで、お母さんや他人の価値観で称賛されることが、『出来るということ』だと思っていたんだ。他の人から見て分かる形でしか、自分は満足できなくなっていたんだ。
そして彼女は言ったそうです。
『私は、私以外の誰にも私の価値を評価されたくない。これは私の人生だから、失敗も、最高も、どちらも私が決めることなの。私は自分に嘘なんかついていない、裏切りなんて言われる理由はない。』
彼女は、その時初めて、自分のために生きるという選択が出来たと言っていました。とても生きるのが楽になって毎日が楽しくなったと。
それから、本当の意味で自立できたんだと。
本当の意味で自立ができると、親との距離の取り方も分かってきて、自然と嫌な言葉も聞き流せるようになった。と言っていました。
友人の話を聞いた感想
彼女は私から見ると、何でも出来るスーパーウーマン!という感じだったので、まさかそんな悩みがあったとは思いませんでした。
私自身も親から『それはやめておきなさい』『それはやっても意味がない』と言われて育ち、失敗を極度に恐れる性格に育ちました。
別居が決まり、仕事を始めようという時に、『子供見ながら仕事なんてできないでしょ?うちにお世話になりたいならそう言えばいいじゃない!』と言われた時は、悲しかったです。
聞けば、応援しているんだ、これ以上大変な思いをする必要はないという親心だと言うのですが、私にとってはこの仕事で失敗したらもう後がない、、、、これで親に頼ったら永遠に馬鹿にされながら生きていくんだ。。。くらい絶望的な気分になっていました。
私は、親と話し合えば解決する問題だと思っていたし、何なら謝ってくれさえすれば、全て許せるとすら思っていました。どう言ったら伝わるか、私の気持ちを分かってくれるのか、ということに、力を注いでいました。
そんな時、彼女に話を聞いて、良かれと思って言っていると言う親を変えることなんて出来ない、自分が、自分を信じて行動することだけが、親から言われた辛い言葉に立ち向かえる唯一の方法なんだ、と気がつきました。
まとまりはありませんが、もし、親から『あなたには出来ない』と言われてきて、何かモヤモヤしたものがある人は、親の説得よりも、自分でやりたいことをやる、これが一番辛さを乗り越える方法だと思います。これは誰の協力もなくても出来る最高の解決方法です。